POD(Proof of delivery)とは?
■プロセス比較
PODなしプロセス(以下①)
PGI(出庫)と同時にSAP上の在庫がマイナスになり請求伝票が作成できる状態になります。
PODありプロセス(以下②)
PGI実施時には在庫がマイナスにならず、請求伝票も作成できません。PODの場合、顧客からモノを受領した連絡(検収)を受けてからPODを実施することにより、在庫がマイナスになり請求伝票が作成できるようになります。
■メモ①
近年ではIFRSの導入に伴い、多くの企業で収益認識のタイミングをモノを出荷したタイミング(出荷基準)から、モノが顧客のもとに到着したタイミング(検収基準)に統一する動きもあり、非常に重要な機能となっています。従来の製造業では検収タイミング(モノがいつ到着したか)を出荷側の企業が把握することが困難なため、出荷基準で売上計上している企業が多いです。(私の経験上)
■メモ②
一例として、実際にSAPでPODを実施している企業では以下のように運用しています。(私の経験上)
①顧客から検収データをIDocで受領し、IDoc受信時に自動でPOD実施
②ある一定のLTを設け、一定の時間経過後、自動でPOD実施
③オフラインで顧客から検収連絡をもらいマニュアルでPOD実施
POD制御方法(概要)
PODを有効化する場合、以下二つを設定する必要あります。
①Ship-to partyのShipping tabにあるPOD関連のチェックボックスをオン※得意先マスタ
②出荷明細カテゴリのPODを有効化※カスタマイズ
POD関連Tcode一覧
名称 | Tcode | 備考 |
---|---|---|
Ship-to party更新 | BP | POD有効化事前設定※ECCの場合はXD02,VD02等 |
出荷明細カテゴリ POD有効化 | S_ALR_87100132 | POD有効化事前設定 |
出荷証明-出荷伝票変更 | VLPOD | 単体POD実行 |
出荷証明-出荷伝票照会 | VLPODA | |
ワークリスト 出荷証明後続処理 | VLPODF | レポート機能 |
ワークリスト 出荷証明の出荷 | VLPODL | レポート機能 |
自動出荷証明確認 | VLPODQ | 複数自動POD実行 |
POD制御方法(詳細)
①Ship-to party※非カスタマイズ
Tcode: BP ※以下画面イメージはS4の画面です。ECCの場合はBPが使えないため、XD02やVD02を使用してください。
得意先マスタ販売管理 -> 出荷管理タブにあるPOD関連にチェックしてください。
■Tips
POD時間枠の用途
POD時間枠には任意の日数を入力できます。1や5などの数字。
VLPODQ実行時、VLPODQ初期画面にある”時間枠考慮”のチェックボックスを有効化することによって、PGI完了後、POD時間枠で設定した日数が経過した出荷伝票のみを対象として自動POD実行することが出来ます。
②出荷明細カテゴリ
モジュール | メニューパス | カスタマイズ名 | Tcode |
---|---|---|---|
SD | 物流管理 -> 出荷管理 -> 出荷伝票 -> 出荷証明 | 設定:出荷証明関連(出荷伝票明細カテゴリ依存) | S_ALR_87100132 |
任意の出荷明細カテゴリの出荷証明関連にXもしくはVを入力してください。
Vを選択した場合は、受注伝票明細-出荷タブ上のPOD関連フラグを参照してPODを有効化するかどうか決定します。