権限トレースとは
権限トレースとは、SAPのトランザクション実行中に、SAPがチェックしている権限オブジェクト・権限値を確認することを言います。
権限トレースを行うことにより、トランザクション実行に際してどのような権限設定が必要か確認することが出来るので、権限設計時や運用保守における権限エラー発生時の調査において非常に役立ちます。
権限について体系的に学びたい方は以下ページを参考にしてください。
【SAP】権限の全体概要解説権限トレース手順
①権限トレースをONにする(Tcode: ST01)
Tcode: ST01を実行
権限チェックのチェックボックスをON&ラジオボタン”全て”を選択し、画面左上の”Trace on”をクリック
トレースがONになると、Trace Statusのテキストが”トレーススイッチオフ”から”トレーススイッチオン”に変わります
※他にも複数のチェックボックスがありますが上記以外の設定は不要です。
②トレースしたいトランザクションの実行
新規GUI画面を立ち上げて、権限トレースをしたいトランザクションを実行します。
例えば、受注登録実行から保存までのトランザクションに対して権限トレースしたければ、VA01を実行し受注保存まで実行するイメージです。
③権限トレースをOFF&トレース結果分析
①で開いた画面(Tcode: ST01)に戻り画面左上の”Trace off(トレースOFF)”をクリック後、
画面上の”Analysis(分析)”をクリック
別画面に遷移後、以下の値でパラメーターを入力し実行
[パラメーター]
開始、終了=トレースしていた日時を入力
※上記以外の項目は初期値のままでOK
④権限トレース結果確認
権限トレース結果がレポート表示されます
複数の行が表示されていて見ずらいですが、権限オブジェクトの表示されている行だけ確認すればOKです。
権限オブジェクトに対して、どのような権限値がチェックされていたか確認することが出来ます。
トレース結果はALV形式で表示されないため見づらいレポートですが、Excelダウンロード可能なのでExcelで見ることをお勧めします。